生徒だけど寮母やります!2
いきなり見つけます!
電車から降り駅から少し歩いた人通りの多い場所に、伊吹グループのビルは建っていた
「うお.....初めて見たけど.....大きいビルだねぇ.....」
今度はライにおぶられながら、そう感嘆の声を漏らす景に結斗は笑って首を振る
「ううん.....大したことないよ」
「お前それ本気で言ってんだったらマジただの嫌味」
市河が信じられないような顔でそう言うと、咲夜と一年生も惚けた顔でコクコクと頷いた
一入り口には大きくロゴが入り、一面ガラス張りの近代的な造り
そんなビルを見上げると、後ろには綺麗に夕陽が差していてなんだか切ない
結斗はビルの大きさに依然驚きっぱなしの仲間たちの顔を見て、困ったように微笑んだ
..........このビルの大きさが表してるのは、威張り散らすような権力だけだからね
「ほら景ちゃん、ビルなんか見てても面白くないよ。中に入ろう?」
景をビルに入るよう促した結斗に、彼女をおぶっているライは冷たい視線を送った
「お前..........いや、なんでも.....。まさかお前の家族も、さっき家を出てったばっかの息子がまた帰ってくるとは思わねーだろーな」
「そうだね.....」