生徒だけど寮母やります!2


その時


結斗が言った通り、パタパタと玄関に向かってくるスリッパの音がして、全員はそちらを向いた


ガチャッ


玄関からリビングに続くドアを開けて入ってきたのは、結斗に良く似た綺麗な女性


「だれ?お父さんもう帰っ.....えっ?」


美人な人.....

結斗のお姉さんだ.....


彼女はこの時間になって再び家に現れた弟に、そして彼が連れて既に家の中に入っている景たちに目を丸くすると


「どうしたの!?」

と開いたドアに触れたまま、動きを止めて言った


驚くのも無理はない


「.....こんばんは.....お邪魔します.....」

「こんばんは」


結斗に喋るなと言われたことが、一体どういうことなのかも忘れ


いたたまれなくなった景と咲夜は頭を下げて挨拶した


そんな彼らを見て、結斗の姉は


「い、いらっしゃい!結斗の.....お友達かな?こんなに大勢.....」


と、景たちと結斗を交互に見る


結斗が姉の顔を見て

「.....姉さん」


と言うのと同時



ガタガタガタッッ!!!


家の奥、リビングで大きい音がして、結斗は瞬時にその音に反応した


「..........っ!!」

景たちも、その音に過剰に反応する結斗に只ならぬ嫌な予感を感じた


な.....なに.....!?

何があったの、結斗.....!?


ドア横にいた姉も、何事かと後ろのリビングを振り返る


そして


「.....え..........だ.....誰!!」


と顔を真っ青にして、恐怖にも良く似た叫び声をあげた

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