生徒だけど寮母やります!2


景はライの胸に額を当て、彼の言葉を頭の中で反芻する


頑張ったのは

私だけじゃない


でも、今日1日

いろんな感情がごちゃごちゃに混ざって

何が何だか分からなくなって



寮母として

結斗の仲間として

そして、美音の妹として



自分に出来ること、するべき事を見失わないように必死だった


.....それも、ライにはバレバレだったのかもしれないね


景は、開きかけて震えた唇をキュッと結ぶ


そして顔を上げて

「ありがとう。ありがとう、ライ。.....もう.....泣かせるような事、言わないでよ」


そう言うとライの胸の中で、彼を見つめて微笑んだ


ライは少し驚いたようだったが、すぐに

「泣かせるって.....泣いてねーじゃん」

とそっぽを向いて苦笑する


依然彼の腕に自身を預けている景は、それを聞いてくすくすと笑った


「だってこのあとすぐ結斗のお家に戻らなきゃいけないもん。ライが女の子を泣かせたってみんなから責められないように、我慢したんです」


「あ?お前いつもピーピー泣いてんだろ」


「いつもは泣いてないよ.....たまに泣く時はその.....不可抗力だよ.....」


ライはブツブツと言い訳する腕の中の景を、わずかに微笑んで見つめる


珍しい彼のそんな視線に気づいた景に


ライは


「好きな女に、胸ぐらい貸すだろ」


そう言ってもう一度



景を


優しく抱きしめた


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