生徒だけど寮母やります!2
ライの安心する匂い
たくましい腕
彼の呼吸
背中と頭に当てられた、指の感触
景は目を閉じて全身でそれを感じる
.....好きな女って、言ってくれた
勇気出して、言ってくれたのかな.....
景は震える声で、彼のTシャツを握りしめて言った
「ライ.....一年だ.....」
「.....何が」
「1年前から、ライはもしかしたら、私のこと大切に思ってくれてるんじゃないかって、特別な存在になれてるんじゃないかって思ってた。
私なんて普通の女の子だし、ただの自惚だって思ったりもしたけど、冷静になってみても、やっぱりライは私のこと好きなんじゃないかなって。嬉しかったけど.....でも、どうしたらいいか分からなくて.....素直になれなかったんだ」
「それは、お前が寮母だから?それとも、俺の気持ちに困ったから?」
ライは景を抱きしめたまま、耳元で尋ねる
「どっちもかな」
景はそう答えて少し間を空けると、小さい声で
「だって恋愛なんて.....したことないし苦手だもん.....」
と付け足した
顔は見えないけれど、ライがかすかに笑ったような気がした
「だから逃げちゃった。ライとちゃんと向き合ったりせずに、私は寮母だから、それが一番いいって思ってた。今でもどうすれば良かったのかはよくわからない。ライを困らせたし.....傷つけたかもしれないね。ごめんね、ライ」
か細い声で謝る景の背中を、ライはポンポンと優しく叩く