生徒だけど寮母やります!2
景はそう満足げな表情で礼を言うと、ルークはどういたしましてといった表情で笑った
これで、一年生の自己紹介は終わりだ
「景、実は俺ら、景が来る前に軽く自己紹介したんだ」
市河が景にそう告げると、景は「そうだったんだね」と頷き
「それじゃあ最後は私だね」
と姿勢を正して微笑んだ
全員の視線が自分に集まり、少しばかり恥ずかしいような気持ちになる
なんか.....
こうも男子が揃うと威圧感が凄いな.....
男子寮にも女子寮にも慣れてるはずなんだけど、メンツがメンツっていうか
そんな事を考えながら、景は言った
「えっと、魔術科2年。一応狼女の笠上景です。よろしくお願いします」
その途端
一年生の顔色が、パッと変わる
そんな光景に景は顔色を曇らせた
なっ.....なんか言った?
「一応狼女」がマズかったのかな.....
怖いけどでも
みんなの事を知りたいと願うなら
私だって自分のこと、ちゃんと言わないといけないんだ.....!
「あのっ、狼女なんだけど、実は不完全な狼女っていうか.....あんまり言わないで欲しいんだけど.....」
慌ててそう補足する景
しかし問題の発言はそこではないようで
ふるふると首を振りながら口を開いたのは千冬だった
「寮母さんって.....生徒で.....しかも先輩なんですか.....」