生徒だけど寮母やります!2
景を抱っこしたまま、ライは僅かに驚いたような顔をする
「.....景.....」
そして、短くため息を吐き出すとともにフッと笑った
少し困ったような顔
でも嬉しそうだった
「あーぁ.....全部終わるまで待つって..........なんで早くも2人になるかな。しょーがなくね。しょうがねーな」
ライの自問自答に、景はなんと反応していいかわからず顎を引いて彼の反応を伺う
「いや待つけど。安心しろ」
「え?あ.....ありがとう?」
取り敢えず『待つ』らしいと知ってよく分からないお礼をした景の額に、ライは自分の額を一瞬コツンと当てた
「生殺し.....」
「え.....」
「でも、もー少し付き合え」
ライは三歩下がると、自分のベッドの上にあぐらをかいて座る
景は自然とライの脚に跨り、腰を脚で挟むように座る形になり、目の前の彼の肩を強めに叩いた
「あのーさっきから私の体制ばっかり恥ずかしいんですけど.....意図的ですか」
「うるせぇ怪我人、昼間っからさんざん人に跨っといて今更騒ぐな」
ライはキツめのセリフとは裏腹に、自由に使えるようになった手が優しく景の頬に添えられた
そして細くて長い指の腹で、なめらかな頬を撫で始める
「......えっ?おんぶのこと?あれはまた別でしょー」
景はライの手の中の方頬を膨らませ、ムッとしてライを見た
「あ、ライ先生、もしかして弥隼君のおんぶに嫉妬してるんですか?」
からかい口調で尋ねる景
ちょっと調子に乗ったかもしれないと思うと、案の定ライを怒らせたのかギロリと睨まれる
「は?うるせぇ口だな」
パチン
「うっ」
そのドS発言とともに景に食らわせたもの
それは結構強めのデコピンだった