生徒だけど寮母やります!2
「あら、見かけない子ね」
外観は日本家屋のそれである妖術結社のホールにて、とある女性に声をかけられる
振り向くと、一目見て確信した
知った顔によく似た若い女性
笠上美音だ
「そういえば今日からエマの弟、ソウマ君が入るって聞いてたわ。あなたでしょ?」
美音は姉と自分の名前をだしてそう尋ねると、手首を掴んで引っ張ってきた
「ほら、あなたが寝泊まりする部屋はもう用意してあるのよ。こっちへ来て」
「え」
話で聞いていたのとも大分違う、積極的な美音に一瞬人違いなのかと不安になる
この人、本当に笠上美音?
顔が似てるだけで、別の人?
「あの、あなたは.....」
さらにその質問にも
「私はハナ。ハナって呼んで!」
笑顔でそう言った
ハナ.....
苗字は言っていない
妖術結社にいるにあたって、偽名を使っているのだろうか
戸惑った爽馬に、ハナはニコリと笑う
「どうしたの?」
あ.....
しかし、その笑顔だけで十分
彼女は確かに
「..........はい、ハナさん」
笠上美音だった