生徒だけど寮母やります!2
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爽馬が妖術結社に来たとき、食事の席にてハナの次に爽馬と話したのはアカギだった
「よろしゃす弟その7、爽馬君」
「.....はい」
姉よろしく相変わらず冷淡な小高DNAが流れる爽馬に、食堂のテーブルで向かい合うアカギは顔を引きつらせる
「ちょーキレイな顔してんじゃん。え、待って君CG?」
爽馬はアカギを無視して、夕飯に箸をつけ始めた
「うぇい無視すんなよー。俺のデザートのところてんやるからさー」
冗談で言ったつもりだったが、意外にも爽馬はその話に箸を止める
「言いましたよ?」
「え?.....お、うん。やるよ」
「僕が食べる前に黒蜜かけたりしないで下さいね。三杯酢派なんで」
アカギは真剣に淡々と言う爽馬をキョトンとして見る
そしてハハッと笑うと
「お前おもしれーじゃん」
と爽馬の肩を叩いた
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その日の夜
エマは先ほどアカギから言われたことを、頭の中で反芻していた
『お前の弟と喋った。無感情な目って、あの目のこと?』
自分でも、なぜかアカギと喋る爽馬が自分の知る彼とは違うような
そんな気分になっていた
..........なんなんだ.....
そこで、自分の目の前を爽馬が通りかかる
「爽馬」
思わず名前を呼んだ自分に、彼は視線を向けた
「何」
「..........去年引退した、生徒会長の名前って何」
何をコイツは聞いているのかとでも思っているのだろうか
爽馬は自分を見てしばらく何も言わない
もしかして、そんなことに興味が無い彼は知らないのだろうか
「分からないならいい」
エマがそう言って立ち去ろうとした時
「市河」
爽馬がそう呟いたので、エマは動きを止めた
「.....そう。ありがとう」
爽馬が階段を上がる音を、背中で聞いていた