生徒だけど寮母やります!2
絶句する彼らを前に、さらに父親は続けた
「そもそもお前たちは私が内密に育ててきた。万が一お前たちが妖術結社に関連していると気づいたところで、彼らはそれを証明出来まい」
足を組み王様のように椅子に座る父親は、侵入に携わった全員を順に見る
そして、最後
端に座る爽馬に目を止めた
「それに爽馬、お前の学校の奴が伊吹グループのホームページであの写真を見つけるかもしれないな。
あんな写真を見られては、もう戻れないだろう」
ははは、と笑う父親を、爽馬は顔色一つ変えずにただ無表情で見ていた
.....そうか、この人は僕が学校に戻れないようにしたかったんだ
爽馬は急に頭が冷めるような感覚に襲われる
今まで父親に怯えていた自分がバカでどうしようもなく思えた
そんなこと、心配しなくていいのに
.....だって僕はもう
「あの学校に戻れるなんて思ってないから」
爽馬はそういって椅子から立ち上がると、一人背中を向けて会議室から出ていった