生徒だけど寮母やります!2
シュッッ
ヒュッッ
まるで空を飛ぶように、実家から山を下って行く
その目はいつも通り感情を宿さず
山を登る懐かしい顔を見つけても、瞬き一つしなかった
爽馬は高い木の枝に静かに着地して、列をなす彼らをそっと見下ろす
.....景..........
心の中で、約半年ぶりに見た彼女の名前を呟いた
咲夜.....
いっちー.....
結斗.....
ライ.....
僕を探して、ここまで来てくれてありがとう
そしてごめん
今から僕は君たちと戦うよ
家に来て欲しくないから
こんなところに、君たちは入ってはいけないから
だから
無事に帰って
そしてどうか
僕に幻滅しても構わないから
.....二度とここに近づいたりしないで
爽馬は濡れたような瞳を細めて景を見る
そして遠く下を歩く彼女に触れるよに
そっと木の上から手を伸ばした
.....こんなこと言う資格
僕にはないかもしれないけど
君たちが
景が
とても大切だから
_____ジュボッッ
「.....景ちゃん!!」
爽馬の放った炎の矢が
景の足元近くに鋭く突き刺さった