生徒だけど寮母やります!2
「もーー何で景だけ怪我してんねん、あんたら男子たち何やってたん!?」
男子寮Bに入るなり説教をかましたのは鈴菜
彼女は出迎えた景の足にグルグルと巻きつけられた包帯を見て絶句し
「こんな包帯、厨二病でしか見たことないわ」
と額に手を当てた
‘‘男子たち’’は有姫にも
「心配してたのよ!怪我したらどうしようって.....本当にしてどうすんのよ!」
と怒られ、ひたすら反省しているようだ
「3人が僕たちを責めるのももっともで、景ちゃんを守りきれなくて本当にごめん」
頭を下げて謝る結斗に、景は慌てて
「結斗が謝ることじゃないよ、顔上げて!?」
と彼の腕に手を当てお願いした
その光景に、鈴菜と有姫はジト目を向ける
柊にも心配そうな顔で見られ
「ち、違うの3人とも.....」
と、景は手を大きく振った
「私たち爽馬と会えたんだけど、私が狙われちゃって.....みんなが守ってくれなかったら、もっともっとボロボロになってたよ」
必死に鈴菜たちに訴えかける景だが
「いや、でも、これは俺らが何としてでも守らなきゃいけなかったし」
「油断したのも俺らの落ち度.....悪かった」
「本当にごめん」
と、咲夜、ライ、市河にまで謝られてしまう
私が怪我したから.....誰も悪くないのにみんな責任をこんなにも感じて.....
女子3人は彼らの反省を感じとり、そして困っている景を見たからか
顔を見合わせると
溜息をつき笑って頷いた
「そっか、小高君に会えたんだね景ちゃん。よかったね」
「柊ちゃん.....」
「もう怒らないわ。でも、何があったのか詳しく教えてもらうわよ」
有姫の言葉に、景は「うん.....!」と小さく力強く
「とりあえず、女子は男子寮に入れないから学校に移動する?」
咲夜がそう提案し、みんなは「そうだね」と頷くと
私服のまま、誰もいない日曜日の学校へとぞろぞろ歩いて行った