生徒だけど寮母やります!2
鈴菜は景と男子寮Bの面々を見ると、強い面持ちで話し出した
「あんたたち凄いわ。
小高のこと信じて、彼助けたいって気持ちだけを糧に総動員で動いてさ。
でも、もっと大人のこと頼ってもええと思う。これ以上子供には無理っていうか.....
話聞く限り、ウチもここまで来て諦めるなんて嫌やし、きっと彼を助けな何も解決せんやろ。みんなの気持ちも、本意か不本意にか、学校辞めた小高爽馬の気持ちも」
「鈴菜ちゃん.....」
みんなに注目される中、鈴菜は景に向き合うと、ニッと笑ってその肩をポンポンと叩いた
「だから、1人で、自分たちだけで無理せんように。限界がきたと思ったら、誰かに頼るのも知恵やろ」
彼女の言葉がジンと心に響く
爽馬を助けたいのはみんな同じだということ
そして、無理言って誰かの力を借りるのは悪いことじゃないんだと言われたようで
素直に嬉しかった
「そう.....だな。自分たちで頑張りすぎた結果が、景の怪我や、月沼に対する疑心暗鬼につながったのかもしれないよな」
市河の言葉に、みんなが頷く
「確かに、少し周りが見えてなかったかもしれない」
結斗はそう言って景をふわりと抱きしめると
「十分頑張ったから、これからは無理せずに俺たちなりに考えていこうか」
と、優しく笑った
「うん、そだね」
「結斗うしろ見ろ焦げるぞ」
そう言った咲夜も困ったように柔らかく笑い、後ろで右手に電気を出しながら見ていたライも口の端を僅かに上げる
一年生もそんな彼らを見て、顔を見合わせると、満足そうに笑みを浮かべた