生徒だけど寮母やります!2
結斗は少し困ったような顔をして、口元を緩める


この時

誰かの眼前でなかったら、俺はきっと呆然と口を開けた顔をしていたと思う


.....いや、かっこいいだろ

お前超かっこいいだろ.....


「いっちーは何をそんなに遠慮してるのか知らないけど、このままだと俺は見守る、なんて言いだしかねないからね」


優しい目は、何故かまるで俺の目を貫くように見据えられている


.....遠慮もするだろ!


俺は彼の王子的微笑に雀の涙ほどでも対抗するように微笑みながら、心の中でそう叫んだ


「見守っててほしくないの?」


俺は後から入ってきた

いわば余所者の分際で、お前らの邪魔して突っ込んでいいわけない


「どうして?見守りたくないのに、見守っててくれるの?」


俺は言葉を詰まらせて、笑みをさらに深くする


「見守りたくないなんて、そんなことないよ」


分かってるだろ

俺がどんな気持ちでこの寮にいるか
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