生徒だけど寮母やります!2
ここに来た時から、お前らが眩しくて.....
自分の足元が暗いんじゃなくて
お前らが眩しいんだ
「そう?それならそれに越したことはないけどね。いっちーのことも、怖いし」
「俺が?」
「うん」
俺は予想外の言葉に、僅かに眉を潜める
今回ばかりは言葉を詰まらせるというよりは、言葉を失ったという方が正しいだろう
本気で言ってんの?
顔で伝えた俺に、結斗が笑った
「でも、誰が敵だとしても負けるつもりはないんだ。それを自分に言い聞かせるために、景ちゃんに言ったのかもしれない」
相槌代わりに目線だけで俯いた俺を見て、結斗は「ね、焦ってるでしょ?」と少し肩をすくめる
そして話はそれで終わりだと思ったのか、俺の横をするりと通った
「すげえな、お前」
僅かに顔を後方へ傾け心から送った賛辞に、結斗は「えぇ?」と息を吐き出して笑った
そして、こちらをくるりと振り返る
「多分、そう思ってないと上手くいくものもいかないんだ。
俺は誰に負けるつもりもない.....ライにもね。君も参考にしてくれて構わないよ、ヒナちゃん?」
何でお前はいつも、俺のこと揺さぶるようなことばっかり言ってくるんだ?
そう言いたいのをぐっとこらえて、ムカつくぐらい清々しい顔をした結斗をジトリと睨んだ
「何だその奇妙な呼び方」
「はははっ」
何がおかしいのか笑いながら、結斗は俺の肩を叩く
「好きだよ、いっちー」
「ははっ.....きも」
やはり彼はかっこよくてムカついたので
俺にまで向けられた好意を一言で片付けてやった