生徒だけど寮母やります!2
自分が有姫のように可愛かったら
まだ結斗にも、ライにも釣り合ったかもしれないと
そう思わずにはいられない
景はそんなモヤモヤした気持ちから逃げるように、今は文化祭準備に集中しようとしてハサミと口を動かした
「そうそうそれでね、今後は保健室の先代の先生を探すことになったんだよ」
「何がどうなってそうなったん」
景は保健室の先代の先生を探すことになった理由を鈴菜と柊に順を追って説明する
ジョキジョキというハサミの音をBGMにききながら
2人は徐々に驚きの声を大きくして話を聞いていた
「ヤバイなそれ、そもそも関西弁一年生の占いからスタートする時点でヤバイな」
弥隼が関西弁一年生ならばアナタは関西弁二年生ですか?と訊きたいのをこらえて
「まぁ.....意外と当たるんですよ?」
と口をへの字にして頷く
「でも、やれる事なら何でもやりたいもんね」
無謀前提で励ましてくれる柊にサッと顔を向けると、景は力強く「はい!」と返事をした
「でも他にやれる事.....あるんちゃう?」
「例えば?」
適当に言ったのか、景の話が無謀だと思って否定するつもりで言ったのか
言ってから言葉に詰まった鈴菜は暫く思案顔で唸った後
「.....透視とか?」
と首を傾げて短く提案する
「.....ほら、男子寮Bのラノベの主人公みたいな子、透視使えるやん」
「あー.....」
景はヤレヤレと肩を落とす振り回され型男子の市河を思い浮かべて、ふるふると首を振った
「爽馬の場所とかなら透視でわかるかもしれないけど、もう私たち爽馬には会ってるわけで、コテンパンにやられてるわけで」
根本的に解決する方法が欲しいのだと、景は切に訴えた