生徒だけど寮母やります!2
バーテンダーします!
2人して廊下に出ると、その場にいた主に女子生徒たちが2人に注目する
結斗は景の手首を掴んだまま彼女を振り返ると
「走って!」
と不敵な笑みを浮かべ、思わず景は口をポカンと開けてされるがままに彼について行った
しばらく校舎を駆け抜けて、たどり着いたのは誰もいない音楽準備室
景が中に入るのを待つと、結斗がその扉を閉める
「はぁ.....はぁ.....なんかめっちゃ人に見られたよ結斗」
「でも、爽快だったよね」
2人は肩で息をしながら見合うと、声を出して笑いあった
「もー!後から女の子たちに私が問い詰められたら、結斗から弁解してくれるんでしょうね!?」
景は冗談交じりに睨みの効かせた目を作る
「弁解って?何も弁解するようなことない.....全部事実ってことにしちゃわない?」
「しちゃわない」
景は後ろから腕を回してくる結斗からスルリと逃れると
「ところで本題なんですけど」
と真面目な顔をして切り出した
「うん.....なんだっけ?」
「先代を探す話。保健室の先生に住所を聞くのは失敗したけど、結斗ならできるんじゃないかって思ったの」
「.....俺なら?」
結斗は急速に先ほどまでの雰囲気を壊し真剣な表情で頷く景を見て、少しだけ首をかしげる
そして
「詳しく言ってみて、景ちゃん」
とその先を促した