生徒だけど寮母やります!2


たしかあの時ははじめ、先生は急いで保健室を訪れたライを見て自然な笑みを見せていた



『ふふ、景ちゃんにはいいお友達がたくさんいるわね。......もしかしてお友達じゃないのかしら?』


からかわれて焦った記憶がある


『え.....!?このっ、この人も寮Bの人でっ。だ、だから、私は結斗やライの寮の寮母でもあるんだけど.....私にとっては良い.....友達でもあって』


ここではじめて「ライ」と彼の名前を出した


すると先生は突然


『............』


『先生?』


黙ってしまったのだ


呼びかけに気づくのもワンテンポ遅く、ハッとしてライの顔を見た気がする



『.....あ、えっと、ライ君?』



景がそこまで思い出した時


「わざわざあの人、俺の名前を呼んだ。あれは俺が景の話に出てきた《ライ》なのかを確かめるためだったと思わないか.....?」

と聞かれて景は頷いた

「そうだと思う.....」


それから先生は


『.........この後は笠上さんと男子寮Bに帰るのかしら?』

と尋ねた


『さぁ......とりあえず結斗が来ると思うんでここにいます』


『あ、でもライ、私もう大丈夫だから。結斗が来てくれたら2人と一緒に男子寮Bに戻るよ』
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