生徒だけど寮母やります!2
その後
小田は「そろそろあなたたち
も文化祭を楽しんで来なさい」と帰る支度を始めた
全員で礼を言うと、結斗が来客用玄関まで送ると行って一緒に生徒会室を出て行く
残された4人は、抜け出して来た自分の教室に各自戻ることにした
「って言っても私もう仕事ないんだけどなぁー」
2年4組『魔界Bar』の入り口で、景は独り言を漏らす
ライは集客要員としてシフト外にもかかわらず招集されてしまったし
(詳しく言うと女子たちに引っ張られていくライの助けを乞うような視線を無視して笑顔で見送った)
このあとどうしようかと悩んでいると、シフトを終えた果子が教室から出て来た
「あ、景ちゃん」
「果子ちゃん。お疲れ」
「んー。暇人?」
果子は景が頷くのを見て「じゃあ一緒に回ろうか」とニタリと笑う
「いいね、どこ行く?」
「興味あるのは3年3組の『コスプレ(超越)館』かなぁ」
果子の口から出た言葉に景は顔をしかめると
「コスプレかっこ超越館?」
と奇妙な館の名前を復唱した
「パンフレットの説明読んでないの?なんかね、例えば女子だったら、執事とかホストのコスプレが出来るんだけど、顔まで変わって1時間だけ見た目そのものを男子に出来ちゃうんだって。だから超越」
果子の説明に景は目を丸くして感嘆の声を上げる
「なにそれ、妖術ってそんなこと出来るの?」
しかしその言葉に果子は口をへの字に曲げると、考えるように唸り声をあげた
「でも3年生のクラスだし、しかも妖術科っていうね。ちょっと入るの勇気いるな」