生徒だけど寮母やります!2
そしてここで呆然と突っ立っていてしまったのが悪かった
どうやらこの『フレンドシップ廃墟』は2人1組で迷路廃墟に挑戦しフレンドシップを試す、ぼっちを敵に回すようなシステムらしい
1人じゃ入れないや.....
これからどうしよう?
景は行く場所を変更しようかと考える
タタタタタタッ
パシッッ
その時後ろから物凄い勢いで走ってきた女子生徒に手首を掴まれ、廃墟の入り口まで連行された
「わぁぁああっ」
「挑戦者ですか?」
「はい.....!」
「え!?」
「ありがとうございます!こちらは2人1組で探検し友情を試すホラー&スプラッタ廃墟です」
ス、スプラッタ!!?
てか友情を試すって、見知らぬこの子と私の間に友情なんて無いけど!?
そんな景の心の叫びもつゆ知らず
嬉々として早口で喋り出す受付の女子生徒は、机の中から直径8センチ程度の鈴付きプラスチック製ブレスレットのようなものを取り出す
そして彼女は景の右手首を掴み、景を連行した見知らぬ女子生徒の左手首と合わせて淡いオレンジ色のそれをカチリとはめた
.....ひっ!
これで2人の手首は手錠をされたように1つのブレスレットでロックオンされる
「ブレスレットを揺らしすぎて鈴が大きい音で鳴りますと化け物たちは一層集まってきてしまいます。2人で協力して無事廃墟から生還して下さいね!それでは行ってらっしゃいませ!」
最後の言葉とともに教室のドアが開き、景は見知らぬ女子生徒に引っ張られるようにして中に入る
「あのっ」
.....なんで私が知らない人とぉ!?
後ろのドアが閉まるのを感じながら、景は隣に立つ女子生徒の顔を見上げた