生徒だけど寮母やります!2
私の寮母生活12
あつくなります!
こうして
それぞれが
それぞれの思いを抱えながら
文化祭が終わった
そして2ヶ月が経ち
再び夏が来た
*・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*・
___暑い
暑すぎる
男子寮B前のベンチにて
深く腰掛けた俺は眩しさに片目を瞑りながら、白く輝く太陽をキッと睨んだ
「何でこんなに暑いんだ.....」
思わず愚痴を漏らした俺に、景が振り向く
「だからライ、外にいないで寮の中入ってればいいのに」
不思議そうに言った彼女の右手には園芸用のチリトリ
景はこのクソ暑い中、プチプチプチプチと花壇の雑草と格闘していた
「.....ありがとう。でも私のこれは仕事、っていうか趣味だからさ。ライは気にしないでへばる前に部屋入ってね」
何も言わない俺に、彼女は手の甲で額をぬぐいながら言う
「へばるか」
「そうー?さっきまで手伝っててくれてたのに、暑いって理由で休んだの誰?」
「さあ」
景はこちらにため息交じりの笑みを浮かべると、再び前を向いて雑草除去に取り掛かり始めた
「.....てか、ライの着てる黒い半袖が余計に熱を集めるんじゃないかな」
「じゃあ脱ぐ?」
「脱がんで。解決策の間違いよ」
お互いに少し笑ってから、再び沈黙
よく耳を澄ませると蝉はうるさいし、木々が揺れて擦れる音、土を纏いながら雑草が引っこ抜かれる音なんかが聞こえてくるわけだが
雑音でデコレーションされた沈黙は何とも夏らしくて悪くない
だからそれもまた、寮に入らないでベンチに座っている理由だ
ああ、夏だ
もう一度、夏が来た
___爽馬
あれから未だお前を助けることが出来ずにいるわけだけど、まだ足りずもがいていること
お前は知っているか
お前は放っておけと言うかもしれないが、諦めが悪い奴らをどうこうしようとするのは諦めた方がいい
出会ったが運の尽きだと思え