生徒だけど寮母やります!2




* * * *



そして4日後


本当に市河神社ににやって来た男子寮Bは、2年生は一年ぶり、1年生は初めての市河神社夏祭りに心を躍らせていた



そう____夏祭り


「夏祭り、それは跳ねるようなお囃子の音をBGMに兄弟に喧嘩を売られ買い取り汗を流しながら真の漢(おとこ)を決める、つまりはサマーフェス!」

「それ英語で言っただけなんじゃ」


市河神社の裏で砂利を踏みしめ対峙する市河と姉のハル


彼らの視線の間に走る火花を見ながら冷静に景がつっこむが、本人たちには聞こえていない


「日向ヨォ、相変わらずイケメンに囲まれてパッとしねぇんじゃお前!」

「ゔゔぅっ!」

「しかも何でイケメンが増殖しとんじゃ!嬉しいです!」

「ぐあっっ一年め.....」

「なんや俺ら菌かいな」

「あいつ秒で負けたぞ」


ストレートな言葉に大ダメージをうける仲間にみんなして哀れな視線を向けていると、勝手口からもう1人イケメンが出て来て2人の頭にゲンコツを見舞った


「お客さんの前で見苦しい。早く家に上がって貰いなさい」


鋭いようで優しさを含む言葉の主の登場に、ライ以外の二年生は顔を晴らす


「生徒会長!」


結斗が以前の役職名で呼ぶと彼、市河快はふわりと微笑み

真っ直ぐに結斗のもとまで歩み寄った


「元、だろ?今の生徒会長はお前なんだから、結斗」


それを聞いて、景は咲夜やライと目を合わせる


そう


今年の夏から我らが伊吹結斗は1つ上の先輩からバトンを引き継ぎ、新生徒会長に就任したのだ

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