生徒だけど寮母やります!2
「でもやっぱり注目を集めながら歩くのって、不快っていうかなんていうかさー」
隣でそうため息を漏らす千加に、景は周りの人々の目線を感じながら小さく頷く
「あの若い子たちめっちゃ美形.....」
「なんの集団?モデル?」
その集団の中には一応自分が含まれているのだからいたたまれない
「確かに.....さすがにこの大人数で一緒にいるのは屋台も回りにくいだろうし、分散した方がいいのかも」
「えっ、景ちゃんそれ本気?」
耳を疑うような反応で聞き返してくる満宵の顔を伺うと、彼は目を細め、親指で背後を指差した
「分散する前に、彼らが軽いバトルを繰り広げるのは御免なんだけどっ」
言われて恐る恐る後ろを振り返ると、談笑してたらしい『彼ら』は視線に気がついて景を見る
「どうかした?景ちゃんミヨちゃん」
「前見て歩け」
「なんか買いたいものでも見つけたか?」
景は満宵と目を合わせて意思の疎通ができているようないないようなアイコンタクトを取ると
「ぶ.....分散しよ!」
と切実に提案した