生徒だけど寮母やります!2

直後、如実に結斗の顔色が変わり歩く足を止める


「分散?じゃあ一緒に回ろう、景ちゃん。狐が出たら俺が守るよ」


「じゃあ俺はクソフェミニストと狐から景を守らないといけないな」


「え?君のガムシャラな電気より俺の方が平静かつ安全に狐を退治できると思うけど」


「はい?」


お互いに鋭い視線を合わせバチバチと火花を散らす結斗とライ


「てか2人とも狐に出くわすの前提だよね.....私もう森には入んないよ.....」


景の呟きも2人には届かず


見慣れた光景を華麗にスルーし、市河が景の肩をポンとたたく


「こいつら2人一緒の選択肢は毛頭無いのか。まぁ分散するってのは良い案だと思うけど。じゃあ厄介な2人は置いといて.....一緒に行く?」


しかし控えめでチャッカリした彼の提案を全力で阻止するかのように


「あっ、ズルいぞ新入り!」

と咲夜に首根っこを掴まれ、市河は「俺いつまで新入り.....」とウンザリしたような声で呟いた


「景、俺と行こう。去年俺いなかったし、たこ焼き買いに行こう」


キラキラと目を輝かせて主張する咲夜に、結斗といがみ合っていたライが即座に反応する


「帰省野郎は1人でたこ焼き探してろ。いっちーは小椋でも探してろ」

「はっ!?」

「うるさいなぁ裏切り帰省野郎!」

「ァァア!?」

「ちょっといっちー?去年ライ呼んだの君だよね?」

「いや俺!?」



敵の敵は味方.....とはいかず


互いに傷つき傷つけあっている2年生の姿を、1年生と景はなんとも言えないような顔で見ていた

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