生徒だけど寮母やります!2
10分後
最終的に景と共に屋台を回ることになったのは
ルーク、市河、千冬
この3人だった
選ばれたというよりは、問題児を除外した結果、つまり消去法とも言えよう
「あー血ぃ吸われて感電死する未来が見えるーー」
そう言って歩きながら自信を抱え込むように腕を回す市河の顔を、景が覗き込む
そして両手のひらを合わせると
「ごめんね、麻依ちゃんのところに行きたかったよね」
と至極申し訳なさそうに謝罪したので、市河は若干目を細めて景を睨んだ
「ブルータス、お前もか」
「ところで先輩、他の先輩たちと何買うか決めてないですよね?買ったもの被っても良いんですか?」
千冬がキョロキョロと辺りの屋台を物色しながら言うと、3人は確かにと顔を見合わせる
詳しく待ち合わせするとは言ってない
ということは、特に集まって食べるというわけではないだろうから.....
「別に被ってもいいんじゃナイ?だって一緒に食べようとは言ってナイし」
ルークの言葉に景は「そういうことだよね」と頷くと、リュックに入れていたケータイを取り出した
「一応確認してみるね」
歩きながらケータイの突起を押して、電源をつける
しかし画面を見た途端、景の顔色がサッと変わり
歩いていた足が止まった
数歩先まで歩いた3人が、それに気がついて振り返る
「どうかしましたか、寮母さん」
千冬の問いかけにも景は答えない
代わりに顔を上げると、苦しそうな顔で3人の顔を見た
「エ.....景?」
もともと景を守るためにこの学校に来たルークが、いち早く反応して景に駆け寄る