生徒だけど寮母やります!2


しばらくどんな屋台があるのかを物色して、なんとなく気分でベビーカステラを買った


国民的キャラクターの形を模したふわふわのそれが入った紙袋は、ほかほかと温かい


歩きながら1つ口に放り込めば、久々に食べるカステラの美味しさに心が踊った



なんだ

夏祭り、楽しめない事はないじゃん


姉妹だろうか、前から走ってくる元気な女の子たちを避ける


「マリ早くー!」

「お姉ちゃん待ってーー!」


自分を追い越して走っていくその背中を見つめていると、ふと強く脳裏に妹の姿が浮かんだ


______景



「.....えっ!?」




ちょ、ちょっと待て


もう既にはしゃぐ声すら聞こえなくなった女の子たちが走って行った先


あそこにいるのは.....景!?


小さくて確信が持てないが目を良く堪えてみても、やはり景に見えた





「うそ.....本当に?」




爽馬が私をここに連れて来た事



景が、ここにいること




「偶然じゃ.....ない」



偶然じゃないとしたら



私はやっと気づいたことになる




バカだなぁ


バカな姉だなぁ.....




思わず自分にため息が漏れた



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