生徒だけど寮母やります!2
「はは.....うん、その節は。でももう簡単には拘束されたりしないよ!」
景が拳を突き出し言うと、ライが「意気込みはいいけど、実践な」と人差し指を向ける
「へへん、実は具体策があるんですね」
「へぇ、何か考えたの?」
結斗が感心した様子で景に尋ねると、彼女はこっくりと頷く
「あ、でもね、咲夜がいないとできないんだな」
それを聞いて、「なーんだ、つまんない」と笑顔で言う結斗が恐い
景は結斗からぎこちなく顔をそらし、学校を包囲する集団にまだ動きがなさそうであることを確認すると、依然黙ったままの爽馬に顔を向けた
「ねぇ、爽馬」
視線だけ動かした彼に、景は微笑む
___今日、改めて気が付いたことがある
_____爽馬が寮から出て行っても、学年が変わっても、新入生が入っても、今の状況は一年前とさほど変わらないのだと気が付いた
「凄く勝手なこと言ってるって分かってるんだけど、それでもずっと言いたかったこと聞いてほしんだ」
___変わらないこと。まず、私が寮のみんなに守られっぱなしってこと
「爽馬が寮を出て以降、爽馬のこと分からなくなるようなこといっぱいあったし、わざと爽馬がそうしてるのかなってこともあったけど」
_____そして、やっぱり爽馬は一人ですべて抱えようとしているってこと
______ね、よく考えたら今と、全然変わらなかったよ
だから____
「私たちの気持ち、変わってないんだよ。
いつでも戻ってきていいし、助けを求めてほしいし、そうしたら全員で駆けつける。ずっと、爽馬の居場所でいたいと、味方でいたいと思ってるし、
大好きだよ。
私たち、爽馬のことまだ諦めてないからね」