生徒だけど寮母やります!2
爽馬は無表情で、景の言葉を聞いていた
線の細い髪に隠れる、瞬き1つしないガラスのような瞳に写っているものは一体なにか
景の優しい表情とは打って変わって、鋭い視線を送るライと爽馬の目が合う
「なんの覚悟もなしに、こいつがお人好しで言ってんだと思ってんだろ。俺らちゃんと分かってるからな。今の状況が、どれだけマズイか」
「そうだよ、爽馬。伊吹グループは倒産しそうだし、友達の月沼は敵か味方か分からないし。意外と俺たち余裕がないんだ。
ここで君を信じたとして、裏切られればほぼ確実に景ちゃんは妖術結社に拘束される。正直言って俺たちが景ちゃんを守り抜くには君の協力が必須だ」
そんな2人の言葉に、景は荷が軽くなったような気分になった
今でも爽馬が大切だと、口では言っておきながらなかなかマズイ状況にいることは分かっていた
中でも姉が失踪したという追加情報がかなり焦燥を煽っている
心配でありながら、勝手な姉にイライラしている自分がいた
今どこにいるのか分からないけれど、彼女が妖術結社(多分)を怒らせた
もう彼らは容赦しない
だから
こっちも容赦してられない
____貪欲に行こう!!
景は爽馬に、手のひらを差し出した
「男子寮Bには、やっぱり爽馬がいて欲しいな」