生徒だけど寮母やります!2
「はいはい、茶番やってないで周り見て。お忘れかもしれないけど、四方八方囲まれた俺ら今絶賛ネズミの袋ん中だからね」
呆れ気味の市河に、ライが「分かってる」と不敵に笑う
まるでこの世に敵などいないかのような表情に、各々も思わず笑顔を見せた
「ヤバー、無限の力出せそうな顔の高校生イタヤバ。まぁ久々に会った仲間の頼みだからな」
と市河
「うん、撤回は不可だよ爽馬」
と結斗
「あの人たちを撒きましょう」
「手伝いますヨ」
と、千冬とルーク
景も力強く頷くと
「こんな寮だけどね、一緒に帰ろうか」
と爽馬に笑いかけた
数秒ケータイを弄っていたライが、ニヤリと口の端を上げる
「もう到着するだろーが、咲夜たちにも話を伝えておいた」
そして、学校を包囲する大人たちを指さす
「今まで苦労してきた俺らの怒り、余すことなくあいつらにぶつけて、こっから爽馬つれて帰んぞ」
夏の暑さが照り付ける
廃校になった小学校で
彼らの物語はリスタートする
「全力でいけ!!!!」