生徒だけど寮母やります!2
2階から屋上へたどり着くまでの間
時間にすると短いものだったが、色々なことが頭の中をよぎった
走馬灯とは違うかもしれないけど
今日起きたことすべてを鮮明に思い出す
それと同時に
屋上で何が起こっているのか、起こっていないのか分からない、そんな恐怖に背筋が凍る
先ほど木に乗った追手である妖術結社の狐が、上の階めがけて火の玉を投げているところを見たが
それもすぐに終わってしまった
___大丈夫なのか、あいつら?
寮に帰りたいと言ってくれた爽馬の顔を思い出し
もう、信じ切るしかないと願った
笠上美音がこの祭りに来ているとすれば、爽馬が連れて来る以外にはあり得ない
その事実を信じた
恐らく彼は、初めから自分たちと会うつもりはなかったのだと思う
それでもここへ来たのは
捨てきれない思いがあったからだ
偶然景を目撃した美音は、そんな彼の捨てきれない思いに気がついた
だから、爽馬と景を小学校に呼び出した
自分は姿をくらませて
お願いだ
爽馬を連れて帰りたい
笠上美音
俺が中学2年だった頃のあんたは言っていた
自分を受け入れてくれる人を探せと
結局お前は、見つけられなかったんだな
でも、それを肯定しちゃ
立ち直れなくなりそうだったから
妖術結社にいる自分を肯定し続けた