生徒だけど寮母やります!2
進級します!
その日の夜
9時
景はコンコンと音を立てて
とある人の部屋の扉を右手でノックした
左手には水差しとガラスのコップを乗せたトレー
扉に掛かっているネームプレートが新しい
《飴屋 満宵》
とかかれたその部屋の扉がゆっくりと開くと、「どうぞ」と可愛らしい声とともに部屋の主、満宵が顔をのぞかせた
「ありがとう、失礼するね」
景は軽く頭を下げながら中に入る
ダンボールが積み重なってはいるものの、だいぶ片付いた新しい彼の部屋に、景は感嘆の声を漏らした
「おー、もうすっかりミヨちゃんの部屋ってかんじだね!」
「あははっ、二年生は夕食の時からみんな僕のことミヨちゃんって呼ぶね〜。可愛いからいいけどっ」
満宵は部屋のドアを閉めながら笑う
そして景の持つ銀色のトレーを見て
「僕のこと、聞いたんだね」
とふわりと笑った