生徒だけど寮母やります!2





しかし



勢い付いたと思われたドラゴンはピタリと空中で停止



「え.....ルーク.....?」


そのまま、まるで墜落する飛行機のごとく地面へと落下した



ズシャァアアアアッッ!!



「「ルーク!!」」


「きゃあああ!!」


ソプラノの悲鳴が聞こえ、全員が背筋をゾワッと凍らせる


しかし砂煙がおさまると、ドラゴンの前足がしっかりと景を包み込んでいるのを確認できた



「大丈夫か!?」

「景ちゃんっ、ルークっ!!」


満宵と弥隼が駆け寄ろうとするも、即座に妖術結社側の男複数人に目で制止され立ち止まる


「あれ、私、無事.....」


「ごめ.....景.......もう力が入らなくテ」


「ルーク君.....!」



景がハッとして振り返ると、手のひら程ありそうなつぶらで大きな瞳と目が合う


身体を見ると、碧金の鱗を皮肉にも所々鮮やかな紅が染めていた



飛んでいた時は見れなかった、はじめて間近で見るドラゴンの身体はあまりにもボロボロで

上空で全ての攻撃を受けてきたルークはもう限界だったのだ


「ごめんね.....こんなに無理させちゃって」


「景ちゃん!!!」


その時

結斗が自分の名前を叫ぶ声がして、景はハッと振り返る


「ひゃ.....!」


直ぐ後ろにいたのは妖術結社の男で

彼は景を離すまいと抵抗した龍の前足を思い切り蹴ると、景を羽交い締めにして地上に引き摺り下ろした



「やめてっ.....」


「離せ!!景を離せぇええ!!」


爽馬父は咲夜の叫び声に満足そうに口元を緩め笑みを見せる


そして景を捕獲した以上、もう子供たちの相手をする必要は無いとでも言うかのように、それまで絶やすことのなかった炎のサークルを消した
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