生徒だけど寮母やります!2
「.....3」
合図が始まる
「 2 」
ドクンと胸が鳴って口から心臓が飛び出そうだ
そして
「.....1」
その瞬間、苦しいまでに自分を捉えていた男の腕が緩む
景は信じるしかないと決心すると、腕から逃れて一気に市河家方面へ向かって駆け出した
このチャンスを逃したら、きっと次はもうないだろう
「........っっ!!」
____走れ!!!
「幹部!!!」
「笠上景が逃げました!!」
逃げ出す景を見た瞬間、結斗、咲夜、千加、千冬、満宵、弥隼は同じ方向へと即座に駆け出す
一瞬遅れて気がついた男たちは、一斉に景を捉えるため追いかけ出した
しかし
それまで地上で動けずにいたドラゴンが、最後の力を振り絞って炎を吐き出す
「ウァアアア!!」
「あっっっづ!!」
「うううっっ!!」
これが功を奏し、景と男たちの間に距離を作ることに成功した
___ありがとう、ルーク君.....!
現役高校生の足は速く、また炎の餌食になってないこともあり、結斗たちは妖術結社の男たちを抜いて景に続く
景、先輩たち、みんな.....
_____どうか無事で
ドラゴンルークは目だけでその様子を追いながら、幹部と景を逃した男の会話を耳で聞いていた
「お前.....わざと逃したのか」
「........」
「自分が、一体何をしたか分かってるのか!」
「幹部こそ、みんなにどれだけの迷惑をかけているか分かっていますか」