生徒だけど寮母やります!2
集合します!
◇◆ … ◆◇ … ◇◆ … ◆◇
息が上がる
走り続けて胸が苦しい
もう少しで市河神社にたどり着く
景はみんなが自分のペースを気にして走ってくれているのを感じながら、懸命に足を動かした
「........っ!!」
左足に痛みが走り、思わず顔を歪める
_____こんな時に!
「大丈夫、景ちゃん?おんぶしようか?」
横で心配そうに声を掛けてくれる結斗に、景は首を振ると
「ありがとう、でも大丈夫」
と笑顔を見せて頷く
結斗は何か言いたそうだったが、景の気持ちを尊重してくれたのか頷き返してくれた
ここで素直におんぶされた方が早く市河神社にたどり着くかもしれない
けれど人にばかり負担をかけて何もできていない自分が許せなかった
だだの意地だけど
それでも自分で走りたいんだ
「景ちゃん.....頑張ってくれてありがとね」
「.....ぇ」
思わぬタイミングでの結斗からのお礼に、景は一瞬苦しみを忘れて彼を見上げる
景と違いほとんど息切れていない結斗の表情は柔らかく
景は口を震わせ、きつく閉じた
_____こんなところで泣くな!
足の痛みも何てことない
あとちょっと、逃げきるんだ!
景は涙をこらえた瞳で再び結斗を見上げ口を開いた
「結斗も.....」
その時