生徒だけど寮母やります!2
「あっ!景ちゃん!!」
ようやく辿り着いた市河神社にて
市河の姉、ハルは遠目に景たちの姿を確認すると急いで縁側へと駆け込み
「戻ってきたよ!!」
と大声を出す
そして再び家門まで駆け足で出ると、走り疲れてヘロヘロの景を優しく抱きとめてくれた
「ハルさんっ.....」
「話は聞いてるから。よく頑張った、大変だったね。家入んな」
彼女はついで5人の男子たちを見ると
「あんたたちも、頑張ったね」
と景を抱えたままワシャワシャと彼らの頭を順繰りに撫でる
「よかった.....よかった、逃げ切りましたね先輩」
「はぁ.....そうだな弥隼.....ありがとう、ございます.....よかった.....」
息を切らしながら御礼を言った咲夜は、縁側から飛び出てくる3人に気がついた
「「「景!!」」」
名前を呼ばれた本人である景は、ハルの胸に抱かれながら声の方を向く
「ぁ.....ライ、日向.....爽馬.....」
彼らを見たことで、それまで苦しそうだった表情もふにゃんと和らいだ
ライはハルから景を受け取とり抱えると、今まで頑張った咲夜、そして一年生たちと目で頷きあう
「早く家の中に入ろう」
一足先に帰還していた市河が急かすと、全員は縁側から靴を脱ぎ安全な家の中へと避難した