生徒だけど寮母やります!2
それから景たちは居間で待ってくれていた市河の母シヅキと叔母カヅキ、兄であるカイに迎え入れられた
最初はいなかった爽馬の肩をハルが「良かったね」と言いながら抱いたことから、ハルたちがライと市河から事の全てを聞いたことは察しがついた
それにカイに関しては___もしかするとハルも___魔妖高校時代に爽馬の兄と面識がある
兄と同じであれば爽馬が今どのような境遇にあるのか、彼らは理解しやすかったのかもしれない
みんなが景と爽馬、そして2人を守り続けたライ、咲夜、千加、千冬、満宵、弥隼の無事に喜び安堵
景自身も、爽馬と再度市河家に集まれたことを奇跡のように感じた
「良かった、無事で。お前が屋上から落ちた時は心臓が潰れるほど驚いた」
今まで別々の場所で戦ってきたライの言葉に、景は目を潤ませつつ笑みをこぼす
「ライ、咲夜が私に巻きついてるって知らなかったもんね。それは驚かせちゃったよね。ごめん」
「あいつ後で締める」
「あぁ.....まぁ因果応報だったけどね.....」
一人だけ爽馬との再会に立ち会えなかった咲夜
そんな彼に対して詳細抜きで「至急小学校に来い」とだけ適当に伝えたライに関しては特に哀れむことはない
が、そこは後々ライと咲夜で仲良く口論するだろうと景は放置することにした
______それよりも
「爽馬!!」
景はふらふらの足で、やっと会えた彼に駆け寄る
ゆっくり再会を噛みしめる暇は無く、屋上を最後に離れ離れになってしまった爽馬にもう一度会えた喜びを
強く抱きしめて伝えた
「良かった.....爽馬がいる」
消え入りそうな声で爽馬の存在を確かめた
爽馬は驚いたのかわずかに目を見開く
そして
そっと瞼を伏せて
震える手を景の背中に回した