生徒だけど寮母やります!2

そう


つい先程身を呈して景たちを逃がしてくれて以来、結斗は未だ市河家にて合流できていない


「俺も思った.....結斗がまだ.....」


“クソフェミニスト”が誰のことなのかをすんなり理解したカイも、ずっと気になっていた様子で大切なかつての後輩の安否を気にした



「結斗は.....」


景が先程のことを話そうとしたその時



ダンダンダンッッ!!!



_______!!


縁側の戸が外から強く叩かれる音がして、全員がそちらを向く


空気に緊張が走ったのも一瞬



「戻りましタ!」


聞き覚えのある少しだけ外国訛りの日本語が聞こえ、景たちは急いで縁側に駆け寄る


念のためにしっかりと締めていた鍵がかかった縁側の戸をハルが慣れた手つきで開けると、ボロボロの身体で安堵するルークが目に入った


「ルーク君!!」

「ルークー!!」

「よく来た!」


全員がルークの帰還にわあっと歓声をあげる


シヅキとカヅキ、そしてカイも居間からは動かなかったが、その場で立ち上がりルークの姿を確認するとホッと胸をなでおろした


「土足で大丈夫だから、こっから上がれ!」


万が一のために早く屋内にと市河が促す


景はとっさに手を差し出しルークを縁側に引き上げた


「ごめんね、私のこと守ったせいでこんなにボロボロにさせちゃったし、傷も.....」


「景のせいじゃないよ。それに.....My pleasure、この傷を作るために日本に来たから」


ルークは景を一瞬抱きしめ、次いで景の横にいた見知らぬ顔の青年を見る


お互い暫く口を開かず、ルークはわずかに口元を緩め、爽馬は一度俯くような瞬きをした
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