生徒だけど寮母やります!2
景の表情は真剣で、瞳はまっすぐだ
何を言うでもなく
次の言葉を待っている
「俺はまだ強くなれる。今以上に勉強して練習すれば、親世代よりもずっも。
それで誰よりも強くなってこの学校を卒業するときに、もう一度景に俺の気持ちを言う」
露骨に驚きはしなかったものの、景はうっすら口を開けてライを見つめたまま数秒固まった
嫌だ、今言って
ライの恋人になりたい
なんて言われたらこの決意は軽く揺らいでしまいそうだが、彼女はそうは言わないだろう
「うん」
ほら
そしていつも、予想を上回るようなことを言ってくるのだ
「じゃあ私もそれ以上に強くなる。負けないくらいに」
「ははっ.....いつも誰よりも頑固だし、あり得ないことじゃないな」
ライは呆れたように笑うと、景の頬を手の甲で優しく撫でた
「これは俺の我儘だから、卒業式の日になって選ぶのが俺以外の誰かだとしても責めたりしないし、景も自分のことは責めなくていい。でもその日まで絶対に他の奴に目移りさせたりしないし、今以上に惚れさせてみせる」
景は自信に満ち溢れたライの言葉を聞き終わると、力強く頷く
自分の我儘だと言っておきながら
卒業まで待つから
寮母の仕事に専念していいと
景のことを一番に考えた結果の提案であることはよく伝わっていた
爽馬も帰ってきた
これからやるべき事がいっぱいある
その時に、特別な関係が景の邪魔にならないように