生徒だけど寮母やります!2
よろしくお願いします!
桃色を主としてグラデーションをつくる、寮の外の花壇の花々
その美しさは、植物好きな双子の弟、以倉千冬の目を輝かせた
「凄く綺麗だね。丁寧に手入れされていることがよくわかるよ」
花壇の前に膝をついて桃色の花の花弁にそっと触れた千冬は、そう感嘆の声を漏らす
「相変わらず、千冬はそーゆーのが好きだね。俺には分かんないけどー」
双子の兄、以倉千加は、そんな弟の横で「そんなに綺麗?」と花弁をツンツンとつついて言った
花が好きな千冬と、趣などにはあまり興味がない千加
どうやら彼らは相反する性格の双子のようだ
そんな2人の様子に、一緒に寮から出て花壇を見ていた1人が、彼らの隣にしゃがみ込んだ
「君たち双子、性格全然違うんだね〜」
声をかけたのは、5人のなかで最も小柄で、クリクリとした目、白い肌が女性的な雰囲気を醸し出す男子生徒だった