生徒だけど寮母やります!2
「確かに、テレポート.....つまり瞬間移動は子どもが軽くできるもんやない。潮見一人の力だと、景と自分をまとめて同時にテレポートさせるには限度がある」
ライ、そして潮見と同じ魔術科の魔法使いである鈴菜も頷いたことで、潮見と景はこの学校にいるという可能性が高く思われ、7人はわずかに安堵する
柊は胸元に手を当てて、ライたち男子寮Bの四人を見上げ震える声を出した
「とりあえず、私にできることならなんでもします。だから一刻も早く、景ちゃんを探しに行きたいです」
もし何かされていたら
されようとしていたら
そうなる前に潮見を止めなければ
「そうだよな。ここで時間を潰しすぎたら景が危ない」
咲夜は柊にこくりと頷きそう言うと、市河の背中をぽんと叩いた
「いっちー、透視できたりする?潮見ってやつのことはよくわかんないし、手がかりが景しかないからキツイかもしれないけど」
市河は険しい顔をしながら「ん.....」と頷き、固く目を閉じた
暫くして、深いため息を吐く
彼の表情からして、状況はあまり芳しくないように思えた
「潮見自身の結界が張ってあることには張ってある.....けど強い結界じゃないからそこまで見えなくもねんだけど.....。部屋が暗くて.....物理的に見えねーわ」
それを聞いて真っ先に反応したのは、ライと結斗だ
「暗い部屋.....?」
結斗のその小さな呟きには燃えるような怒りが込められているようで、鈴菜が若干顔を引きつらせる
有姫は上手くいかないこの状況にむしゃくしゃしながらも
「でもそれなら校内の暗い部屋や場所をひたすら見ていくしかないわ。この人数があればまだ効率も上がるはずよ」
とわずかな打開策にも縋るしかないと、勇ましく意見を述べた
「せやな」
「とりあえず一人での行動は避けて、特に女の子ね、手分けして暗い部屋を探そう。潮見と景ちゃんを見つけた場合は必ず突入前に連絡を入れること」
「「了解」」
こうして7人は手分けをして、景と潮見のいる『暗い場所』を探して各自散らばることとなった