生徒だけど寮母やります!2
『僕は潮見、潮見透(トオル)って言うんだ』
景は一体ここがどこなのかよく分からないほど暗い部屋の中で、先程そう名乗った男子生徒に背後から両手首を掴まれていた
何が起きたのか
何をされたのか
驚きはしたものの、意外にも冷静に状況を把握している自分にほっとする
自分に笑顔で声をかけてきた彼に手首を掴まれた後、恐らくどこかに瞬間移動されたのだという推測に至るまで、そう時間はかからなかった
「ごめんね笠上さん。ちょっと君に聞きたいことがあったんだ」
彼はこんなことをしておきながら、今までと変わらぬ口調でそう言う
景は怯えた感情を見せるのはよくないだろうと考えて、比較的強気な声で
「じゃあこんなことしなくたって、普通に聞けばいいじゃない。手首、痛いんだけど」
と、彼を責めた