生徒だけど寮母やります!2
(盗み)聞きます!
「げほっげほっ」
夜9時
景は満宵の部屋で、ベッドの上で咳き込む彼の背中をさすっていた
「ごめん、ね、げほげほっ、景ちゃん」
「ううん。気にしないで。無理に喋ろうとしなくても大丈夫だよ」
咳き込む満宵は辛そうで、景は心を痛める
男子寮Bの他の男子たちと比べると一回り小さいその背中を、ゆっくりとさすった
「僕ね、ルークと同じ6組だったよ。千加は1組で、千冬と弥隼が3組だって」
「本当?私も1年6組だったよ。同じだね」
満宵は嬉しそうに景に微笑み、そしてまた咳き込む
咳が止まったところで、彼は悔しそうに唇を噛んだ
「すごい楽しそうなクラスだったよ。この寮だって好きだし、僕ずっとこの学校でみんなと笑ってたいのに.....。体、治らないかなぁ」
「いつかきっと神様が、みよちゃんに恋する時が来るよ。こんなに魅力的な子をほっとくわけない。いつかきっと良くなるよ!」
「あははっ、何それ変な考え。でも、素敵な考えだねっ」
満宵の透き通るような肌が、なんだかとても儚くて
桃色の唇から漏れる息が切なくて
微笑む時に震える睫毛が
潤んだ大きな瞳が
柔らかな髪一本一本が
とても愛おしい
「う〜〜」
「わっ!?」
景は思わず、ベッドの上の満宵に抱きついて
「可愛いな〜〜」
そう言って背中をさすった
「なんか、頑張ってるみよちゃんが本当に可愛いっていうか、健気っていうか」
「ちょっと景ちゃんっ?僕のこと妹みたいに思ってるでしょっ?」
「んっ」
「僕だって男の子なんだよ〜っ?って、あははっ、くすぐったいよ景ちゃんっ」