生徒だけど寮母やります!2
翌日の朝
景は今日も変わらず男子寮Bで朝食の支度をする
量は自分含めて10人分
.....やっぱこのくらいの量じゃなきゃ寮母やってる感じがしないよね!
何かを気にするまいと満面の笑みで額の汗を拭う振りをしてみたものの
先程からズカズカとキッチンに入ってきて冷蔵庫を確認するルークに気を散らせていた
「えーっとルーク君、何か食べたいものでも?夕食も朝食も調理棟から運ばれてくるから冷蔵庫にはあんまり入ってないよ」
景のその言葉を聞きながらキッチンに入ってきた千冬が、ルークの元までくると手を取って彼をグイグイ引っ張る
「気にしないでください寮母さん。ほらルーク、ここは食べ物を扱う場所なんだから少なくとも日本では勝手に入っていい場所じゃない。それ以前にちゃんと用意された朝食があるんだ、自分好みの朝食を作れるわけないだろう」
今にでも登校できそうなほど身支度を完璧に整えた千冬にされるがままに引っ張られるルークを見ながら
なるほど.....
ルークはアメリカンな朝食が欲しいんだな.....
と景は苦笑いする
集団生活において自分勝手な行動は厳禁
ここは可愛そうだが用意された朝食を食べてもらうしかない
また今度機会があったらカリカリに焼いたベーコンでも出してあげよう
景はそう思いながら朝食をリビングへと運んだ