気ままな恋愛事情
1つ全て食べ終わったルーベルトは、足の間にちょこんと座っているルミの腰に手を回す



そしてそのままルミの肩に頭を預けた



そうされながらも、変わらず食べ続けるルミ



これが、いつもの2人の過ごす形だった



足を広げる、ましてやその間に女性を座らせるなど、王子として行儀が悪いどころではないが、良しか否かここには2人しかいないため、注意する者はいない


「ルーク、もう、いらない?」



ルミが、何故そんなに食べないのかと首をかしげながら見上げた



「ああ、もう俺はいらないよ。他はルミが食べていいんだよ?」



和やかな声でさとす



しかしその間も、ルーベルトはルミの肩から顔を上げようとはしない



この体制になったらもう、しばらくは動かない事も、持ってきたお菓子は1つしか食べない事もいつものことなので、ルミは諦めたような表情でまた、ワッフルに手を伸ばした









実を言うと、ルーベルトは甘いものが少々苦手だった



しかしルミには食べ物、特に甘いものが一番なので、いつもお菓子を持参していた



”自分が食べるために持ってきた”

”ついでにルミも一緒に食べるかい?”



というていでルミを餌付けしているため、ルーベルトも食べないわけにはいかないのだが、いつも1つで限界だった



ルミは不思議そうにしているが、ルーベルトは食べられないため、ほとんどルミの腹に消えていく



それでいて太る気配がないのは、人間の神秘だとつくづく思う



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