気ままな恋愛事情
「どうせすぐ来るから行こうか」


ルーベルトが手を差し出した


ルミはためらいなくその手を取り2人一緒に歩き出す


自然に腰に手を回されるとルミも自然に優雅な歩きになる


元々綺麗な歩き方だが、エスコートされると無意識に出てしまうのだ


ルーベルトのエスコートも言うまでもなく完璧であり、伊達に王と宰相を親に持っていないという事だろう


扉を開けて外にでてもそのままだが、校内で王子と知らぬものは誰もいないルーベルトと、一緒に歩いたらいろいろまずい


この学園には部活などなく、皆早々に帰ってしまい今の時間は誰もいないと分かっているが、もしもの時を考えるとルミの顔色は悪くなる


幾度となくルーベルトに外ではやめてと申し出はしたが、その度「もし見つかっても問題ないよ。…むしろ好都合」と、訳の分からんことをえらく笑顔で返されるのである


しかしそれを繰り返すと、元々マイペースで考えることが嫌いなルミである。早々にどうでもいい、と諦めてしまった


ルークが言ったんだから何かあってもルークのせい…


頼ると言うと聞こえはいいが、所詮全て丸投げしただけである…


< 29 / 31 >

この作品をシェア

pagetop