気ままな恋愛事情
ルミがエレヴィン学園に到着して、廊下を歩いていると
前の方から男達が数人歩いてきていた





ルミは気にもとめず歩き続けるが、何故か男達はルミの前で足を止めた





「・・・・・・・・」





何事だ、と突然目の前に現れた壁に思うが、
すぐに”なにかよう?”とでも言いたげな顔で男達を見上げた





自分より遙かに体格の大きい男達を前にしても、ルミには全く動揺の色がなかった





「・・・・・なに?」





男の目をじっとみつめても相手が何も言わないので、渋々といったように問いかけた





声を出す事も面倒くさいのか・・・・





すこし呆れたような顔をする男達だが、
先頭に立っていた強面な男が
ルミの胸あたりに拳をあげた





「・・・?」





なんだ・・・と意味が分からずに首をかしげると




男はただ一言、”手”と呟いた





訳が分からないまま、言われたとうりに手を前に出すと

小さな手のひらに乗せられたクッキーとイチゴ味のキャンディー





「・・・やるよ」





男はそう言うとすぐにきびすを返し、立ち去っていった





「・・・・・あり、がと」





いきなり現れ、お菓子をくれ、早々と去って行った男





呆然とお菓子を見つめ、お礼を口にしたときはもう遅く、
その小さな声が拾われる事は無かった




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