気ままな恋愛事情
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授業が行われる中、ルミは睡魔と戦っていた
目はもう半分以上が閉じてしまっている
エレヴィンは、いわば生き残り戦
みな、我先にと黒板に食いつき、ルミのように眠そうにしている子などいない
一日学園を休めば、遅れを取り戻すのに三日はかかると言われているほど、ハイスピードで進んでいる授業だ
教師達も、まさか授業をサボろうなどと思う生徒がいるとは思わないだろう
まぁルミもその一人で、サボろうとする気は無いのだが
しかしルミはとても出来た頭脳の持ち主で、
一度見た本は、たとえ頭が痛くなるような分厚い本でも、覚えてしまう天才であった
それに加え、宰相という役職についている父を持つルミの家には
基本的な物から専門的な物まで、たくさんの学書があり
幼い頃からそれを絵本代わりに読んでいたルミは、
今授業で習っていることはもう全て身についていた
知っていることを説明される事ほど暇なことはないのである