ツンデレ年下彼氏とブスガッキー《完結》
「ユリちゃん…
悪いんだけど、コウシに近づかないで。
コウシは私の大事な弟なんだから」


ユリはうつむいたまま、小さく頷いた。


そのとき、アスファルトに落ちる一粒の涙が見えた。


ジワッと滲む涙。


ユリは俺たちに顔を伏せたまま、
振り返り、俺たちとは反対のほうへ歩き出した。


そんな姿を見ていると、
姉ちゃんが俺の腕を掴んで歩き出した。


引っ張られるように
俺は姉ちゃんに身を任せるしかなかった。
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