真夜中の恋人
1・寂しい夜
「ナツ、抱かせて」
玄関の鍵を開けて入ってくるや否や、タカヤはわたしの耳元で甘く囁くと、アルコールの匂いをさせながらキスをする。
戸惑い気味にタカヤのキスに応えていると、ふわりと抱きかかえられて、そのままタカヤのベッドに落された。
軽い衝撃を背中に感じたすぐ後に、今度はタカヤが覆いかぶさってくる。
「早く、そのキレイな身体を俺に見せて」
妖艶に微笑むと、わたしの肌から纏っているものを彼は簡単に剥ぎ取っていく。
拒むことは許されない。
わたしは彼の愛人なのだから。
シェードランプに照らされたわたしの裸身を食い入るように見詰めるタカヤは、スーツのジャケットを脱ぎ捨てネクタイを緩めた。
深夜一時。
こんな時間にタカヤが連絡もなしに訪れるなんて。
それに今夜のタカヤはなんだか様子がおかしい。
自分の寝室でわたしを抱くことなんて、今まで一度も無かったことなのに。
彼はわたしを『ナツ』と呼ぶ。
本当の名前に興味はないらしく、初めて逢った時に好きな季節を訊かれ、「夏」と答えたことからそう呼ばれるようになった。
どうして、あの時『夏』と答えてしまったのだろう。
夏なんて、大嫌いのはずなのに……
玄関の鍵を開けて入ってくるや否や、タカヤはわたしの耳元で甘く囁くと、アルコールの匂いをさせながらキスをする。
戸惑い気味にタカヤのキスに応えていると、ふわりと抱きかかえられて、そのままタカヤのベッドに落された。
軽い衝撃を背中に感じたすぐ後に、今度はタカヤが覆いかぶさってくる。
「早く、そのキレイな身体を俺に見せて」
妖艶に微笑むと、わたしの肌から纏っているものを彼は簡単に剥ぎ取っていく。
拒むことは許されない。
わたしは彼の愛人なのだから。
シェードランプに照らされたわたしの裸身を食い入るように見詰めるタカヤは、スーツのジャケットを脱ぎ捨てネクタイを緩めた。
深夜一時。
こんな時間にタカヤが連絡もなしに訪れるなんて。
それに今夜のタカヤはなんだか様子がおかしい。
自分の寝室でわたしを抱くことなんて、今まで一度も無かったことなのに。
彼はわたしを『ナツ』と呼ぶ。
本当の名前に興味はないらしく、初めて逢った時に好きな季節を訊かれ、「夏」と答えたことからそう呼ばれるようになった。
どうして、あの時『夏』と答えてしまったのだろう。
夏なんて、大嫌いのはずなのに……
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