真夜中の恋人
目が醒めると、ベッドで一人きりだった。
やっぱりと溜め息を吐く。


わたしが寝ている間に、タカヤは帰ったのだろう。
慣れているけれど、目が覚めたときには傍にいて欲しいと思ってしまう。

……寂しい。

手を伸ばしてその温もりを探すけれど、もうなにも感じ取ることは出来なかった。

気持ちを紛らすように、また一つ溜め息を吐く。
もう起きようと、素肌にシーツを巻きつけて身体を起こしたときだった。

ドアが開いて、バスローブ姿のタカヤが寝室に入ってきた。


「おはよう、ナツ」

「あ……」

どうして、いるの?


「なに?幽霊でも見たみたいな顔して」

可笑しそうにクスクス笑いながら、わたしに近づいて頬を撫でる。

だって。居ないと思っていたから、びっくりしたの。


「ナツ?」

気がつくと、無意識にギュッとしがみ付いていた。


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