記憶のその先
彼の真実
雛乃said






りゅう君は私の手を引き教室を出て歩き始めた







りゅう君とまた出会えるなんて…思いもしなかった…







でもこんな私と一緒にいたらダメだよね…







「りゅう君…」







『ん?どうした、ひな?』







「もう…私に関わらないで…」







『は?なんでだよ?』







「だって…私といたらりゅう君馬鹿にされちゃう…」








『なんでだよ?』







「え…それは……」








『いじめられてんだろ?』








「え!?なんで知ってるの…?」








『こっちで調べはついてるからな、それにお前家でも大変なんじゃねーの?』








「え…」







私はりゅう君を心配させないように微笑んだ








「だ…大丈夫だよ!私がドジなだけなんだ!へへっ」








『無理に笑うなよ』








「え…?」








『無理に笑うなって言ってんだよ、辛いんだろ?ひな』








りゅう君は優しく私の名前を呼んで頭を撫でてくれた








すると急に感情が込み上げてきて








「りゅ…く…ん……うっ………うっ……」








私はりゅう君の胸に抱きついて泣いた







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